第1章

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まだ1週間も着ていない綺麗な制服。 まだ話したこともない人と並ぶ体育館。 入る予定のない、クラブ活動の紹介を2時間もダラダラと聞かされると思うと、とてもめんどくさい。 「葉月ー、葉月ー??」 下の名前か上の名前なのか、少し悩む私の苗字を叫ぶ、担任。 「ちゃんと並べ!」 「…はい。」 最悪。 こんな人が多いところで怒られるなんて、恥ずかしい。 そんな気分で、始まったクラブ紹介。 生徒会長が語るクラブのこと。 よくある台詞を並べてくるつまらない話。 青春? ただの集団行動じゃない。 1番初めは、軽音部の演奏。 日本語なのか外国語なのか分からない歌い方のボーカルに、チャラいギター。 ベースの音は全く聞こえないし、自分に酔ってるドラム。 退屈な演奏にあくびが出る。 そんな感じでぼーっとして、眠って。 友達の梨乃に起こされた時にはもうクラブ紹介は終わってて。 慌てて、体育館を出る。 「奈々は、なにかクラブ入るの?」 葉月 奈々。 私のフルネーム。 「え、はいらないよー?」 「私さー、水泳部入りたいんだけど一緒に見に行ってくれない?」 「えー(笑)」 「お願い、奢るから??(笑)」 ちょうど、学校からスタバが近いな。 「…んじゃ、帰りキャラメルマキアート奢って。」 「りょーかい(笑)」 キャラメルマキアートのためなら仕方ない、行くか。 全く泳げない、私が水泳部の見学に行くきっかけになった。 泳げない私は、マネージャー希望と言って外から眺めておくことにした。 選手希望の梨乃は、アップに走り込みと大変そうだった。 ぼーっと時間が早く流れないかなと、プールサイドから眺めていた。 あ…夕焼けが今日は綺麗だな。
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