第1章

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「マネージャー希望の子ありがと。」 「奈々ちゃん、美久ちゃん 、沙耶ちゃん…これからよろしくね!」 リク先輩の言葉に 「あ、はい。」 と返事したけど、そんな小さい私の声は、美久ちゃんと沙耶ちゃんの高い可愛らしい声にかき消された。 化粧バッチリの華の女子高生って感じの美久ちゃんに、さらっと大人っぽい沙耶ちゃん。 どちらもとても可愛くて仲がいいらしい。 こんな中に1人いるなんて、ちょっと惨めかもしれない。 「あ、そーだ。」 何かを思い出したかのように呟くリク先輩。 「電車通学の人、一緒に帰りたいなぁ…なんて。(笑)」 あー私、バスなんです。と美久ちゃんと沙耶ちゃんが言う。 …電車通学だけど。 2人で帰るなんてそんな勇気なくて。 でも。 「電車通学です、????方面です。」 と言った。 「おー、一緒。(笑)」 こんな私でも嫌な顔一つせず、一緒に帰ってくれる先輩。 若干痛い視線を感じながら、2人でプールサイドを出た。 靴箱が学年で場所が少し違うから正門で待ち合わせ。 先輩を待たしたら悪いと慌てて走る私。 3年の方が正門に近いところに靴箱があって、先に待たれてて。 さらに慌てて。 私は、派手に滑った。 そーいや、雨が少し降ってたから道の鉄の部分がよく滑るんだ、なんていらないこと考えて、恥ずかしさを、紛らわしながら受け身の体制にする。 「ちょ…!」 反射神経がいい先輩は私の腕をナイスキャッチ…じゃなくて、がっつり抱きとめられた。 転ばなくて済んだけど、心臓は破裂寸前。
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