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「あれはだめだ!!」
暗闇が広がる場所。そこの弱弱しい電灯が辺りを照らしていた。
そこにはここの主である杖をついた初老の男いる。だがその場で座りながら彼は声を張り上げていた。
「あのバーサーカーは聖杯に組み込んではいかんな」
いつもの余裕ある風格とは違い、余裕が見られず、焦りの様子が伺える。
「キャスター陣営についてはあいつに任せている。皆、まともに動くとは思えんな……。討伐を命じたのだがな……」
薄暗い中ではあるので顔は見えないが、それでも初老の男は顔が険しくなっているのが想像に難くない。
「この世全ての悪、通称『アンリマユ』……。あれは冬木の聖杯戦争の狂った原因だ。純粋な無色のものに一つの色が混ざり込んだだけで全てが変わってしまった……。まぁあれこそが人の根源の表れでもあるが」
初老の男はまるで誰かに語りかけているように言葉をつぶやきながら自分はその重い腰をあげていた。
「善と悪という考え方がより複雑化している今の現代で生まれた作品ためか、『アサシン』『バーサーカー』は少し特異になってしまった。致し方ない面もあるだろう」
「まぁ、アサシンについてはその心配はなかろう」
初老の男は、木の杖で椅子から体を起き上がらせる。
「だがあれはだめだ。あの烙印は……。聖杯はすべてを体現するからこそ聖杯なのだから……」
初老の男はそう言うと、暗闇のある方向を見つめる。そして少しばかしため息をつくと、そのまま杖の音を鳴らせ歩き始める。
「仕事さえすれば娯楽に勤しむのはよかろうて。ただ命の保証はせんぞ」
そして男はそのまま暗闇へと消えていった。
「やっぱり気づかれてたか。しかも考えまで読みやがって半端ないなあの爺さん。しかしまぁ、休みは頂けたら様ですし、ちょっくら遊ぶに行きますかね。」
暗闇の場所にあった一つの柱、そこには初老の男と会話していた部下らしき赤い髪の青年立っていた。
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