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いくら僕が細身とはいえ テーブルと椅子の間だ。 「もう、狭いからどけよ!」 「わあっ……ごめんなさい」 否が応にも身体は密着する。 (それにしたって……) 見上げれば目の前に 巻毛の王子様のなだらかな白い胸が――。 美味しそうなターキーみたいに オイルを塗られキャンドルの光に照らされている。 ワインに酔った熱い吐息と けだるく乱れた美しい髪。 そして外からは 興味深げに僕を見つめる6つの瞳。 もう仕方ないよ。 僕の心臓は無条件にドキドキする。 だけど分かるよね? 本当のドキドキはこれからさ――。
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