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獲物を一度捕えてしまえば
やはり天宮征司は強かった。
「ヴァージンオイルでいいだろう?」
テーブルの上の小瓶から
オリーブオイルを手の平に塗りつけ
征司は迷わず薫の後ろに立った。
「ほら、自分で脱げよ?でなきゃお気に入りのジョン・ガリアーノが汚れるぜ?」
「ちょ、ちょ、待てよ……!」
ほろ酔いで勢いをなくした次兄の
抵抗も虚しく。
「待たねーよ」
シャツの襟元が開かれて
鳶色の巻毛が零れる細い首筋に
オイルまみれの征司の長い指が這う。
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