猫鳴き峠

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 峠へ向かう細い山道を甲高い騒音が駆け上ってゆく。  辺りには林と捨てられた古いテレビやゴミくずが不法投棄されている。  噂通りトンネルは苔に覆われていた。その中に彼らが乗ったスポーツタイプの車が吸い込まれて行く。  トンネルの中は、ほのかに薄暗いがそれはトンネルの内照灯が切れているからだろう。 と、彼らは気楽に考えていた。  しばらく走ってもお化けどころか、猫の子一匹現れなかった。  それ見た事か噂話しなんて。 と、彼らが話をしている間に一台の中型バイクが彼らをすっと追い抜いて行った。  そしてバイクの男は、後ろを振り返った。  首だけが180度回った。真後ろに。  そしてバイクはそのまま闇に消えて行った。  若者達は、車内で大笑いしていた。  しょぼいお化けを見下げて笑いが止まらなかった
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