第7話

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「すみません、お仕事中に」 「いえ…」 先日の帰り際、榊さんにプライベート用の電話番号も教えてあるのに。 なんで会社…? 「でも、これが確実にあなたを捕まえられる方法ですからね」 私が電話に出ないかもしれないと想定してここにかけてきたのだろうか。 さすがにそこまで露骨に無視するつもりなどないけど……。 「今夜、ご一緒に夕食をどうかと思いまして」 思わず眉根を寄せた。 約束の期限まで、まだあるのに…なんで……? 「今日…ですか…」 「急ですみません。でも、あなたに会いたくて。何かご予定が入ってますか?」 「…いえ、何も…ないです…」 でも、数日後に勅使河原さんにする返事はもうすでに決まっている。 それならば、早い方がいいだろう。
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