第7話

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どんな車で来るか聞いてなかったけど…たぶん、あの高級車だ。 メルセデスベンツは落ち着いた大人の勅使河原さんによく似合うもの。 目線を向けていた車のドアが開き、 スーツ姿の勅使河原さんが姿を現し私の方へ歩を進めた。 「来て下さって、嬉しいです」 「すみません、だいぶお待ちになりましたか?」 「いえ、今来た所ですよ、どうぞ」 助手席のドアを開けてくれて、 「ありがとうございます」 会釈して乗りこむ。 この前の迎えの車もそうだったけど、庶民の私には高級車はどうも落ち着かない。 埃一つ見当たらず、ピッカピカ。 きっと毎日のように誰かが手入れや掃除しているのだろうな…等と、つい目がいろんな所へと飛ぶ。
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