第7話

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「優子さん、そんなに固くならないで、リラックスして座って下さい」 運転席から勅使河原さんが微苦笑をもらした。 「あ、はい…」 やだ、私。 背筋のばして座ってたよ…。 「食事の前に寄りたい場所があるのですが、良いですか? ここから10分程の場所です」 「ええ、どうぞ」 じゃあ、その用事が終わったところで、話をしよう。 ヴ―――… ヴ―――… ヴ―――… バッグの中のスマホが振動している。  こんな時に、まさかとは思う…けど… 「お電話じゃないですか? どうぞ出てください」 「あ、はい…すみません、では、失礼します」 勅使河原さんに促され、 バッグからスマホを出してチェックすると―――…ビンゴ。  田原さん…だ。 ずっと待ち続けていた田原さんからの電話だけど、 今、かかってくるなんて……究極に間が悪すぎる。
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