第7話

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「…すぐには、さすがに無…」 「黙って俺の言う通りにして」 こんなの、反則。 ずるいよ…… 今、このタイミングで、 こんな風に私の心を揺さぶるなんて。 「優子、頼むから… 降りて」 あなたの懇願を、私はどうとればいい? メールじゃなく、即、電話をしてくれたのは、 私と勅使河原さんが一緒にいるのを見かけて心配になったから? 「優子、返事して」 微かな期待が胸にじわじわと込み上げて来て、 意味分かんないけど、同時に涙の粒が膨らんできた。 今度こそ、本当に、期待しても―――…いい? 「田原さんの、言う通りに…するよ」
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