第7話

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――車が止まった。 「着きましたよ」 車から降り、目の前に見えるのは―――… ジュエリーショップ? 外観は気軽に入れるような店ではなく、一般人なら敬遠してしまう敷居の高そうな一流店。 戸惑いを隠せず、これまた呆然とつったっていると、 「入りましょう」 「あの… 待って下さいっ」 強く言っても強引に手を引かれ、店の中へとひっぱられた。 「いらっしゃいませ」 店員一同が声を揃えて頭を下げる中、 勅使河原さんは豪華な指輪がズラリと並んでいるガラスショーケースを指差し、 「この中で、あなたが気に入るのはどれでしょう?」 私は驚きと、猜疑の目で勅使河原さんを見つめる。
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