第7話

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「つけ心地はどうです? 気に入りましたか?」 なめらかな笑顔の下で、 一体、何を思っているのか、この人の考えが全く読めない。 「…はい……」 「では、もういいですよ」 ふいに、 私の薬指から指輪をはずして元の所へと収めて。 「Je vais payer comme d'habitude.」 「Bien, Monsieur.」 たぶん、フランス語……?  一体、店員に何を言ったのだろう……? 「出ましょう、用は済みましたから」 私の肩をさらっと抱き、外へと歩かされた。 驚いて顔を上げ、勅使河原さんに困惑を投げかけると不敵な笑みを浮かべている。
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