第7話

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「もしかして、フランス語がおわかりになりますか?」 「いえ……。でも、私にわかると困るから、フランス語をお使いになったのですよね? 一体、何とおっしゃったのです……?」 まさかとは思うけど、買ったんじゃ…。 「“見せてくれてありがとう”と、礼を言ったまでです」 「……」 信用していいのだろうか…… でも、“本当ですか?”としつこく聞き返した所でオウム返しされるのが関の山だ。 自分の知らない間にどんどんおかしな方向へ事が進んでいる気がし、車の前まで来た所で足を止めた。 「優子さん?」 不信感が積もり、 もう、これ以上は黙っていられない。
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