第7話

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「失礼、あなたの身辺は調査済みです。恋愛云々よりも、まずは勅使河原の家に相応しい女性かどうか、私は考えなければならない立場なので」 ああ、なるほど……。 確かにそうだろう。 さっき、すぐに私のスマホを取り上げたのもこれで頷ける。  田原さんが何者か、最初からわかっていたわけか。 でも…… どこまで調査されているかはわからないけど、他の男性と関係を持っている女などお呼びじゃないだろうに。 なぜ…… 「彼とは将来の約束をしてるのですか?」 「えっ…」 私は田原さんが好き。  きっと田原さんも……同じ気持ちだと思いたい。 だけど、結婚とか、そこまではまだ考えてもいないし、話は進んでないわけで…… 答えられず、目線を落とした。
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