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「――ふ、あなたはとても正直な方ですね」
面白げに言われたことに軽く唇を噛む。
「彼と結婚の約束をしてないのならあなたは自由だし、パートナーを変えることも可能です。全然恥じる事ではない」
「そんな…」
反論しようと勅使河原さんの方へ目を向けると、
「――それに、例え約束していたとしても、そんなものは脆いものですよ。未来に何が起こるかなんて、誰にもわからない」
言い終えた後、どこか陰りのある遠い目をしていて。
私は自分の次の台詞を忘れてしまった。
「…あの、どうかしましたか?」
問いかけると、柔らかく自然な笑みに変わった。
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