第7話

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私が疑問をぶつけたら、田原さんは慌てて “全部誤解だ”と言ってくれるはず。 その…はず。 そう思いながらも、心の均衡を失った私は全く別行動をしていて、 足は階段を下り始めていた。 もう、一秒もこの場にはいたくない。  ここから離れたい―――   マンションを出るとみぞれに似た雪が降り出していた。 トボトボと駅に向かう道、 人と人の合間を縫うように進んでゆく人達に何度も抜かされて。 冷えきった肩の上に虚しさが上乗せされてゆく。 立ち止まり、 空を仰ぐ。 あの女の人が家族や身内ではないことなど、 昼間見たシーンからも、雰囲気的にもわかる。 私、 何を信じて、何をどうすればいい……?
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