第7話

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「いえ、大丈夫です。すみません」 体調は悪くないけど寝不足で注意散漫になってる。 そして、 解決の為の行動がとれない状態が私を疲労させている。 いけない、こんなんじゃ。 気持ちをバシッと切り替えよう。 目の前の電話器からコール音がし、受話器をサッととり、 「お電話ありがとうございます。トラスト税理士法人、経理課加藤でございます」 きりっとした声を出す。 「勅使河原と申しますが、加藤優子様はいらっしゃいますでしょうか?」 ずっと田原さんのことばかり考えていて、 もう一つの問題がすっかり頭から排除されていたのだけど、 それが突如、浮上。 「わたくしですが… 」 周囲を気にして微妙に声が小さくなってしまう。
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