第三章 宿泊先

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『1号館』 『2号館』 『3号館』 『4号館』 『5号館』 この五つの建物が、今回の宿泊先として用意された場所だった。 とは言え、この五つ全てが亜矢の家の所有物、という訳ではない。 今バーベキューをしている所のすぐ近くに建っている3号館以外は、全て別な持ち主に借りているのだそうだ。 町から近い位置に建っている物から順に、1号館、2号館と便宜上呼び名を付けているだけで、実際にはそれぞれの建物に何ら関連性がある訳ではない。 島は、本土側に船が停まる小さな町があり、今回使用しているビーチはそのちょうど反対側だ。 町とビーチの間には、二ヶ所を遮る様に大きな山があるため、往復には島の外周をグルリと回るように遠回りをしていく必要がある。 なので、町からビーチまで移動するには、直進できない分時間が余計にかかってしまう。 そして、それぞれの別荘は3号館を除き、何故か山の麓近くに建てられている物が多い為、当初言われていた海辺の別荘というよりは、どちらかと言うと森の中の別荘に近い感じだった。 また、それぞれの別荘同士に距離が結構あり、3号館と近い位置にあるはずの2号館と4号館でさえ、3号館から徒歩で三十分以上かかってしまう。 その為、それぞれの別荘を繋ぐように伸びている道が、コンクリート等で固めてはいないもののある程度綺麗に舗装されている事もあり、1号館と5号館のメンバーには自転車が支給されていた。
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