10人が本棚に入れています
本棚に追加
「実際に経験してる出来事だよ。ループしてるんだよ夜空はね」
「……ループってなんだ、原理は?何故こんなことになってる」
「繰り返されてるの、わかるでしょ?日にちも変わらない、クラスメイトの会話の内容も変わらない」
確かに変わってない。
陽菜を殺して自分も死んで、それからの記憶はない。
そっか……。
俺は都市伝説に侵されたのか。
「─────お前なんでそんなこと知ってるの?」
もう俺が都市伝説に侵されたのはわかったし、認めてやる。
実際には、脳のキャパオーバーだし、正直、叫んで発狂しそうだ、心が更に壊れそう。
だけど、それを抑え込み、聞かなければならない。
「ふふふ、やっぱり聞いちゃうよね。私が都市伝説になったからよ。夜空は自分が都市伝説に捕らわれたと思ってない?」
え?
違うのか?
疑問が浮かんだが、言葉は更に続いた。
陽菜の顔は満面の笑みで歪んでて、月の光を反射した眼は妖しく光ってる。
「私が夜空を巻き込んだの」
その姿に恐ろしく恐怖した。
気味が悪い、嫌悪感を引き起こす、そんな微笑だった。
最初のコメントを投稿しよう!