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「でねでね、知らぬ間に殺し続けるんだって」
「どこの殺人機だよ、ジャックザリッパーじゃねーんだから」
放課後、教室にはもう俺と陽菜しかいない。
都市伝説な内容はあまりにもチープだった。
学校で何かやらかすと、その人は奇怪な現象に巻き込まれる。幻覚、幻聴などもあるそうだ。
その何かとは不明で、コックリさんとかそのような類いではないらしい。
段々と起きることは酷くなっていく。
そして行き着くのが殺人。
しかも意識なく実行しているのか、記憶がないのだそうだ。
ざっくりしてて、フワッとしててわからない。
数学で言うところの定義不足みたいな。
「信じてないでしょ?この学校でいなくなったのは5人よ。これは偶然と言える?」
「信じるわけねーだろ。偶然だろ、何百人中の5人だと思ってんだよ」
アホらしいな、まったく。
それでもその話でいくと月乃は都市伝説にハメられたか、殺されたか。
いや、それはないか。
アイツの死ぬところを見たのは俺だったじゃないか。
教室から外を見てたら月乃が降ってきたのを見たのは、俺だ。
「もう俺は行くからな」
カバンを手に持ち、教室を後にした。
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