10人が本棚に入れています
本棚に追加
─────────
─────
「─────ッは!?」
勢いよく起き上がると、リビングにいた。
ソファで寝てしまってたみたいだな。
激しく荒れてる呼吸を整えて、冷や汗を拭う。
「やっべ、8時だ」
遅刻を怖れて支度に急ぐ。
先程何か考えてた気がするけど、そんなの考えてる場合じゃない。
とりあえずシャワーを浴びて家を出た。
すると、どうだろうか、時間がかなり余った。
余裕をもった登校になってしまった。
もっと、ゆっくりしてればよかった。
…………。
なんだ、これ。
夢でも同じような事が起きた気がするけど。
そんな変な感覚に見舞われながら、教室に入る。
一度チラッと俺を見ては、すぐに外れる。
話題は月乃のことのようだ。
だから嫌いだ、学校へいくのをやめようかとも考えてる。
聴くのも嫌だったからイヤホンを耳に当てて寝ていると、イヤホンを取られた。
「やっほー、聞いてよ聞いてよ、この時期にピッタリの都市伝説をさ」
朝から煩いな、陽菜。
睨んでも睨み返してくるのだからコイツは男だろうかと疑いたくなる。
一言二言、やり取りをしてる間にチャイムが鳴り響く。
「じゃ、放課後ね」
それだけ言って自席へ戻っていった。
何かが引っ掛かった。
脳を掠めた。
既視感を覚えたのは何度目だ。
脳の錯覚から既視感が生まれると何かの文献に書いてあったはずだが、そんな何回もあるものなのか?
疑問を持ちながら、退屈な授業を受けた。
最初のコメントを投稿しよう!