第1章 仮面をつけた化物。

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「うがっ。って何だよ?」 「いや、驚いたから…つい。」 当たり前の質問を受けてから、あらためて、突然やってきたクラスメイトをよく見る。 身長は普通か。いや、僕が低いというのもあるが、170センチくらいありそうだ。165センチの僕からすれば高い。 顔はなかなか良い顔立ちをしている。いちいち僕と比べたくないが、比べるならば惨敗だった。 「驚かせたちまったか、ごめんな。」 「あ、いや…別に。」 「俺は宮下 晴也(みやした はるや)って言うんだ。一応このクラスの学級長をさせてもらってる。」 …僕の知らない間に学級長が決まっていた。驚きパート2だ。でもまぁ、知っているつもりで頷き、気になるところを聞いてみた。 「僕に何か用かな?」 「その質問、答えるけどもう驚くなよ?」 ーおぉ。また驚くようなことを言われるんだな。何だろう。 「君は副学級長だ。」 ………。…!? フクガッキュウチョウ? いや、分かる。副学級長だ。だが、それが僕っ!?この「役職に向いてないランキング1位」に輝きそうな僕? 「な、なんで!?」 思わず聞いてしまう。 「君が変わりたそうにしてるから。それに今まで友達いなかったから欲しいと思うんだろ?」 …。天才なのかこの人。エスパーか何かだろうか。 「僕の手助けをしてほしい。それと友達一号が僕じゃだめかな?」 これについては、本当に悩んだ。あ、いや、友達一号については喜んでOKなのだが。副学級長が僕か…。不安で仕方ない。 僕が悩んでいると宮下は 「副学級長という名前で僕の手伝いをしている設定にすればいいよ。」 「え?」 「仕事はすべて僕一人で大丈夫。」 …。眩しい。なんだこの人は。完璧人間なのか。だが、それなら助かる。 「うん、それなら…副学級長、引き受けるよ。」 こうして僕はクラスの副学級長になったのだった。 後で知ることになる『宮下の作戦』通りに事は進んだのだ。
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