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「うがっ。って何だよ?」
「いや、驚いたから…つい。」
当たり前の質問を受けてから、あらためて、突然やってきたクラスメイトをよく見る。
身長は普通か。いや、僕が低いというのもあるが、170センチくらいありそうだ。165センチの僕からすれば高い。
顔はなかなか良い顔立ちをしている。いちいち僕と比べたくないが、比べるならば惨敗だった。
「驚かせたちまったか、ごめんな。」
「あ、いや…別に。」
「俺は宮下 晴也(みやした はるや)って言うんだ。一応このクラスの学級長をさせてもらってる。」
…僕の知らない間に学級長が決まっていた。驚きパート2だ。でもまぁ、知っているつもりで頷き、気になるところを聞いてみた。
「僕に何か用かな?」
「その質問、答えるけどもう驚くなよ?」
ーおぉ。また驚くようなことを言われるんだな。何だろう。
「君は副学級長だ。」
………。…!?
フクガッキュウチョウ?
いや、分かる。副学級長だ。だが、それが僕っ!?この「役職に向いてないランキング1位」に輝きそうな僕?
「な、なんで!?」
思わず聞いてしまう。
「君が変わりたそうにしてるから。それに今まで友達いなかったから欲しいと思うんだろ?」
…。天才なのかこの人。エスパーか何かだろうか。
「僕の手助けをしてほしい。それと友達一号が僕じゃだめかな?」
これについては、本当に悩んだ。あ、いや、友達一号については喜んでOKなのだが。副学級長が僕か…。不安で仕方ない。
僕が悩んでいると宮下は
「副学級長という名前で僕の手伝いをしている設定にすればいいよ。」
「え?」
「仕事はすべて僕一人で大丈夫。」
…。眩しい。なんだこの人は。完璧人間なのか。だが、それなら助かる。
「うん、それなら…副学級長、引き受けるよ。」
こうして僕はクラスの副学級長になったのだった。
後で知ることになる『宮下の作戦』通りに事は進んだのだ。
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