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 マナは太ももの上からヨシを落とした。  ソファの上に置いてある黒いトートバッグから、化粧ポーチを取り出す。それから、ベッドの上でうつ伏せに寝転がっているヨシに向かって振り向いた。 「じゃーん」 「何それ」 「何それって、耳かきだよ~」  白い綿のついた耳かき棒だ。  マナは、えへへ、と笑って右手に持った耳かき棒を振ってみせた。  それを見て、ヨシはガバッと身体を起こした。 「えっ」  マナはヨシの正面に座り、両肩を持った。 「こら、起きなくていいの。膝枕で耳かきしてあげるから」
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