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赤いぬるぬるとした糸がヨシの頬にぴたりと落ちる。
マナは「ひっ」と悲鳴を上げた。
真っ赤な細いミミズが耳穴から這い出しているようだ。
気持ち悪い。
しかし、このまま抜き取る手を止められない。
赤い糸はまだ穴の中に続いている。こんなものをヨシの耳穴の中に残しておくわけにはいかない。
「……マナ、もういいって」
「よ、よくないよ、ヨシ、こんなの溜めてたらダメだよ」
「無理しなくていいから」
「わ、私は平気。大丈夫だもん、もうちょっとで取れるはずだから」
マナはごくりと生唾を飲み込むと、引き続き赤い糸を引っ張った。
すると、何か大きな塊が穴の中に見えた。
ところどころ白く光っている。
…………?
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