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耳の穴に詰まっている、巨大な何かだ。
マナは赤い糸を千切らないように、そうっとそうっと引っ張った。
ぎゅうっと絞られていたそれは、耳穴からポンッと出た拍子に球体に変わった。
コロンと白いシーツの上に転がる。
球体に黒い円が描かれてあるのに気付き、マナは「えっ」と息を飲んだ。
ついに赤い糸を離し、マナはヨシに訊ねた。
「……よ、ヨシ、これ、何……?」
「だからさ」
「ひっ!!!!」
マナに向けられたヨシの顔を見て、マナは太ももからヨシの頭を落とした。
ヨシの左目があった場所に、暗い穴が空いている。
「取らなくていいって言ったのに」
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