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岡野「っ!!」
不意に大胆に触られたことで、びくっと肩が揺れる。
葛原「?」
一瞬、葛原さんがそれに反応を見せた。
岡野(いけない。ちゃんと、普通にしてみせないと)
必死に耐える。
けれど、きっと顔が引きつってるに違いない。
喜多嶋「ん?岡野は、猫っ毛だな。撫で心地がいい」
岡野「あの、髪……乱れますから……」
(早く、離してください!!本当に無理だから、もう)
葛原「喜多嶋社長、それ、俺にも言ってましたよね」
岡野「!」
喜多嶋「ああ、そうだったな。ちょっと葛原も来い。ふたり並べて撫で心地を比べてやる」
岡野「なっ」
葛原「はいはい」
素直に、葛原さんがやってくる。
すると、喜多嶋社長は、僕と葛原さんを並べて、両手で頭をなでまわした。
喜多嶋「ん、岡野は襟足にホクロありか……あー、それにしても、やっぱり、岡野の方が触り心地いいかな?」
葛原「そんなことないでしょ。俺の方が、なめらかなはずです。ちゃんと手入れしてるんだから」
葛原さんが僕の頭にかけていた社長の腕を、自分へと強引に置き変える。
喜多嶋「まあ、確かにな。しかし、葛原は相変わらず負けず嫌いだな」
岡野(よかった。ようやく手が離れた……)
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