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岸「喜多嶋社長、まったくなにをしてるんですか?社員は大型犬じゃありませんよ」
岸さんがピシャリと言うと、喜多嶋社長は葛原さんからもぱっと手を離す。
岡野(どうやら、喜多嶋社長をやりこめられるのは、岸さんだけみたいかな?)
少し落ちついたのか、人間関係が少し見えてきたような気がする。
葛原「…………」
岡野「っ!!」
(ど、どうして、葛原さん、こっちを見てるのかな?僕が人に触られるの嫌だって、バレて……ないよね)
ドキドキしてると、岸さんに呼ばれる。
岸「岡野、お前は葛原と組んで仕事をしてくれ」
岡野「え、デザインですか?」
岸「それだけじゃない。葛原のサポートをするようになれば、きっと、大きな仕事の流れが見えてくる」
岡野「はい。頑張ります」
岸「葛原は……口は悪いが、使える男だ」
岡野「わかりました」
岸「葛原」
すぐに岸さんが、葛原さんを呼ぶ。
岸「と、いうわけだ。葛原、頼むな」
葛原「なんで、俺なんですか?」
岡野(え?)
いかにも面倒そうに答えられた。
岸「後輩の面倒をみることも大事な仕事のひとつだ。お前も、そろそろ、それができていい頃だ」
葛原「……わかりました」
ちらっと睨まれた。
岡野(どうしよう。さっきから、面倒くさいやつだって思われてるよね)
内心、びくびくだ。
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