第1話

6/10
152人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
岸「喜多嶋社長、まったくなにをしてるんですか?社員は大型犬じゃありませんよ」 岸さんがピシャリと言うと、喜多嶋社長は葛原さんからもぱっと手を離す。 岡野(どうやら、喜多嶋社長をやりこめられるのは、岸さんだけみたいかな?) 少し落ちついたのか、人間関係が少し見えてきたような気がする。 葛原「…………」 岡野「っ!!」 (ど、どうして、葛原さん、こっちを見てるのかな?僕が人に触られるの嫌だって、バレて……ないよね) ドキドキしてると、岸さんに呼ばれる。 岸「岡野、お前は葛原と組んで仕事をしてくれ」 岡野「え、デザインですか?」 岸「それだけじゃない。葛原のサポートをするようになれば、きっと、大きな仕事の流れが見えてくる」 岡野「はい。頑張ります」 岸「葛原は……口は悪いが、使える男だ」 岡野「わかりました」 岸「葛原」 すぐに岸さんが、葛原さんを呼ぶ。 岸「と、いうわけだ。葛原、頼むな」 葛原「なんで、俺なんですか?」 岡野(え?) いかにも面倒そうに答えられた。 岸「後輩の面倒をみることも大事な仕事のひとつだ。お前も、そろそろ、それができていい頃だ」 葛原「……わかりました」 ちらっと睨まれた。 岡野(どうしよう。さっきから、面倒くさいやつだって思われてるよね) 内心、びくびくだ。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!