152人が本棚に入れています
本棚に追加
暴れる僕を抑え込もうとした葛原さんのくちびるが、僕のくちびるに触れた。
岡野(え?わ、そんな、キスしてる!?)
事態を受け入れられず、目を大きく見開いて、感情も止まる。
岡野(なんで、今、偶然?でも……)
どく、どく、どく、どくと耳のすぐ下に、心臓があるみたいだ。
カーッと体温が一気にあがって、頭の中は真っ赤になる感じ……。
驚きすぎて、羞恥を感じるのが遅れたーー。
岡野「わーーーーっ!!」
どんっと葛原さんを突き飛ばして、僕は息を整える。
葛原「こっちだって、好きでキスしたわけじゃないぞ。事故だ。いや、お前からしてきたんだから、もらい事故だな」
むっとした顔で、僕をじろりと葛原さんが睨む。
その視線だけでも、びくっと震えてしまった。
動揺を隠そうと、とっさに葛原さんに背を向ける。
岡野「わ、わかっています。ちょっと、いろいろあって」
(まだ、心臓が痛い。わし掴みされたみたいだよ)
葛原「お前さ……もしかして、人に触られるのが怖いってやつか?」
岡野「っ!!」
ゆっくりと振り返り、葛原さんを見た。
岡野(バレた!!!!)
最初のコメントを投稿しよう!