第2話

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働き始めて数日ーー。 今日もオフィスで、なんとか仕事をこなしていく。 岡野(今のところ、誰にもバレてないみたい……葛原さんも、黙ってくれてる。からかったりもしないし……) ほっとしていると、肩に手を置かれた。 土師「岡野、さっきのファイルの間違い、どうした?」 岡野(同僚の土師さんだ……手、どけてくれないかな?) ぶわっと背中に冷や汗が出る。 岡野「今やってるこれ、あと少しですから。終わったらやります」 土師「そう言わずに、先にしてくれよ。肩もみしてやるからさ」 岡野(それは無理、というか、ダメ) 葛原「土師、自分の仕事だよな、それ。じゃあ、自分でやれよ。そいつは俺の直の部下なんだからな。仕事を頼むんなら、俺を通せ」 厳しい声に、手が離れていく。 岡野(ほっ……) 土師「まったく、葛原はわがままだよなー」 岸「どっちがだ」 パコンッ。 岸さんが、土師さんの頭をまとめた書類で軽く叩いた。 岸「お前は、ちゃんと自分の仕事をするように」 土師「……はーい」 葛原「ふん」 岡野(……葛原さんって……もしかして、かばってくれたのかな?仕事だけじゃなくて、触られないように……) 僕はそっと葛原さんの席に行くとーー。 岡野「ありがとうございます」 ぼそっと告げた。 葛原「調子のいい同僚をいさめただけだ。あいつ、いつか締めてやらないと、調子づいてるからな」 ぷいっと横を向かれる。 岡野(あれ?気のせいだったのかな?でも……) ただ、そう言われたら、もう何も言えない。
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