第1話

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葛原「まったく、落ちつきのないやつだな」 葛原さんが顔をしかめ、僕をまっすぐ立たせようとする。 でも、その手をとっさに弾いてしまった。 葛原「おい、こっちは助けてやったんだぞ」 岡野(わ、しまった!?先輩になんて、こと) 葛原「お前、手の甲に、引っかき傷できたぞ。猫か、お前」 岡野「すみません。すみません」 とにかく、平謝りするしかない。 葛原「もう、いい。とんだノラ猫だな」 葛原さんは、そっけなく言うと、そばを離れていった。 それに、ほっとする。 岡野(どうしよう。人に触れられるのが怖い状態で……このまま、やっていけるのかな?でも、働かないと、生きていけない……) 岸「どうした?」 葛原「岸さん」
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