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現れたのは、目も覚めるような美人だ。
男性なので、美人はおかしいけど、さらりと前髪をかきあげるメガネで細面の男性は整い過ぎるくらい整った顔をしてる。
岡野(わ、きれいな顔の人……っ)
形のいい眉と薄いくちびるが美貌を際立たせていた。
岡野「っ!」
つい見惚れてしまうようなぞくっとする色気があって、息を飲む。
この人もタイトなスーツを、きれいなシルエットで着こなしていた。
岡野(肩パッドがしっかり入ってるから、細身の体をカバーしてる……)
それでいてしっかりと絞られたウエストラインが男性なのにセクシーだ。
美意識が高いのか、胸ポケットに差しているペンの色までタイと合っている。
岡野(一分の隙もない感じだよね……自分のスーツを買うのに、一人前に情報収集だけはしたから、いろいろわかっちゃうな。結局、僕は既製品しか買えなかったんだけど……きっと着心地から違うんだろうなあ)
葛原「岸さんは、社長の右腕だ。挨拶しろよ」
呆然としてる僕に葛原さんが耳元で囁いた。
岡野「新人の岡野です。よろしくお願いします」
岸「それで、なにがあった?」
岡野「いえ、なにも。僕が悪いんです」
岸「いや、どうせ、葛原が乱暴なことをしたんだろ?」
岡野「へ?」
岸「こいつは、仕事はできるのに、基本ががさつだからな」
葛原「岸さん、変なこと言わないでください」
岡野「助けてもらったんです」
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