152人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
第3話
資料室で葛原さんとふたりきりになった僕は、息がつまりそうになってる。
鷲見社長や喜多嶋社長みたいに大柄じゃないけど、葛原さんだって体格のしっかりした男の体だ。
そばに寄るだけで威圧感がある。
岡野「な、なにをする気ですか?」
ばくばくする心臓の上で、ぎゅっと手を握りしめて聞いた。
すると、その手を握られる。
岡野「ひっ!」
葛原「本気で、汚物あつかいだな」
岡野「!!」
葛原「そんなに握りしめたら、ネクタイがゆがむだろ?」
岡野「あっ」
(それを言いたいだけ……?)
ぱっと手を離してくれたので、肩から力を抜く。
葛原「女相手じゃないんだから、襲うわけないだろ?」
岡野「女の子相手でも、やっちゃだめです」
葛原「くっ!」
岡野(笑われた……)
葛原「真面目だな」
こつんとおでこにグーをつけられた。
最初のコメントを投稿しよう!