プロローグ アーベの業火

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 たかが魔物の一体と侮り、特に対策も準備もしていなかった彼らにその怪物を押さえるだけの力はなかった。  悲劇が起こる。   気付いた時には全てが手遅れだった。  逃げることも出来ず、徹底抗戦を続けていく内に戦力の半分を失ってしまった。  しかし、その甲斐あって魔物を徐々に弱らせることには成功していた。  そして、ゆっくりとだがなんとか魔物を崖側に追いつめることが出来た。  あと少し……  あと少しで、全てが終わる。  全員の緊張が最高点となっていた。  生き残りを賭けた戦闘は苛烈を極めた。  その中で青年は深手の重傷を負ってしまう。  魔物の注意が青年に向けられた。
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