第4話

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第4話

岡野「お願いします。葛原さんが指導してくれるなら、僕、頑張りますから」 葛原「それじゃあ、しっかりと接触恐怖症を克服していくぜ」 岡野「はい」 葛原「慣れていけば、きっと平気になってくるはずだからな」 岡野「そうですよね」 (葛原さんが協力してくれるなら、心強いし) 葛原「まずは、どこまで耐えきれるかだ」 岡野「どこ……まで?」 不安で問い返した。 葛原「これは、どうだ?」 テーブルに置いていた僕の手に、葛原さんの手が近づく。 小指の側面だけが、わずかに触れた。 岡野「っ!!」 びくっと震えたけど、じっとしていられた。 葛原「これは、いいわけだ」 岡野「はい。これくらいなら……」 (相手が葛原さんだからかもしれないけど……) 葛原「次の段階だな。これは?」 岡野「っ!!」 今度は手を上から重ねられた。 岡野(わ、あったかいっ!) 葛原「で、どうだ?鳥肌がたつのか?」 岡野「えっと……寒気よりも、心臓がドキドキしすぎて、ちょっと痛い……」 葛原「っ!!」 ぱっと葛原さんの頬が染まった。
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