第6話

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ぱっと手を離して、目を白黒させた。 葛原「自分で驚いているのか?」 岡野「だ、だって……心配で……」 葛原「俺のことが?」 岡野「そうですよ。心配です。恩人ですから」 葛原「……恩人ねぇ……」 岡野「えっと、あとは氷で冷やした方がいいですよね」 葛原「大丈夫だから、もううろちょろするなって」 行こうとした襟首を、葛原さんにつままれた。 岡野「は、はい」 (あ、こういうのも平気になってる……ただ、どぎまぎするだけで……) 葛原「仕事に戻るぞ」 岡野「そうですね」 襟首から手を離すとき、すっと、うなじのあたりを触られる。 ぞくっとして、首をすくめたけれど、葛原さんは何でもない顔。 岡野(気のせい……かな?わざと触られた気がしたけど……)
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