第1章

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報告書が苦手な神田だが、この日は違っていた。いまだに慣れないパソコンに向き合い、肩をこわばらせながら必死に文字を打ち込んだ。 「どうした、神田。そんなに急いで。」松本が物珍しげに神田のデスクを除いた。「今日は朝からイベントの警備にあたってたんんで、この報告書書いたら今日はもう上がっていいと言われたので、早めに切り上げて会いに行こうと思いまして。」「おっ!あれか?彼女か?」松本がニヤニヤとしながら、神田の肩を軽く叩く。 「いえ....」神田はくるりと椅子を回して松本を見る。 「でんせつの佐藤さんに会いに行こうと思いまして。」 松本は小さく「え」と言って、目をパチクリとさせた。
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