第6話◆恐怖

11/40
前へ
/40ページ
次へ
「何よ――! シカトかいっ!!」 私は大袈裟に叫んで、わざと神祁の耳に届くような大声を張り上げた。 でも神祁が振り返る事はない。 キーッ! ムッカー!! ガチャッ! 「心結、朝からギャーギャー五月蝿いんだけどぉ~?」 と突然開いた扉から出てきた旒柯にそう言われた。 旒柯はまだ眠いのか大きな欠伸をしている。 「お、おはよっ」 私は次に目に飛び込んできた旒柯に挨拶をしてみた。 まさか、アンタもシカトするんじゃないでしょーねッ! 人間、挨拶が出来なきゃ終わってんのよ!! でも旒柯は、「うん、おはよ」と眠そうに言うと、いきなりその唇を突き出してきた。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加