第6話◆恐怖

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突然の事すぎて意味が分からない私は、目をパチクリさせる。 ついでに手を旒柯の艶々の唇に押し当てた。 「な、何?!」 「何って、おはようのちゅーだよ!」 「じょ、っ冗談~っ」 「オレ、スキンシップ派なの。その手、邪魔だよん~」 旒柯はニッコリと満面の笑みを浮かべてそう言う。 って、知らんわ、そんなコト! このままじゃ、穿に続いて旒柯にも唇を奪われてしまうっ!!! これ以上いっくんを裏切りたくないんだよっ!!! 「は~い! 邪魔な手を退けようね?」 と言った旒柯は、私の手を無理やり自分の思い通りにしようとする。 だから私の手は、強い力によっていとも簡単に身動きを失ったのだった。
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