第6話◆恐怖

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そして再び唇を突き出してきた旒柯。 これではもう……どうする事も出来ない。 このまま受け入れるしかないの? と思ったその時、 バンッ! ……弾む音がして、旒柯の体重が私へ折り重なってきた…… そのまま前のめりになった旒柯は、自分の頭部を何かで殴った相手の方に振り返る。 そこにはお盆を片手に、ニヤッと笑みを浮かべた穿の姿があった。 「旒柯ちーん! 抜け駆け禁止だぞ! 神祁に言いつけてやるぞ?」 穿の言葉に、慌てたように体勢を立て直した旒柯は、 「抜け駆けしてんのは、どっちだよ?」 と冷たく言い放った。 ……確かに、それは旒柯の言うとおりだ。 穿、昨日のお風呂場での出来事……忘れたとは言わせないわよ?!
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