第6話◆恐怖

4/40
前へ
/40ページ
次へ
その瞬間、 「っ、」 ぷしゅっ! 伸びてきた手に、鼻を摘まれた。 「ふんがー」 「泣くんじゃねぇーよ! 俺は女の涙は嫌いだ。それにこれからは、泣いたって誰も助けてはくれないんだ。お前は戦わなきゃならないんだからな」 と言った神祁は、ゆっくりと離れた。 壁に固定されていた私の身体は、自由の身となる。 でもこの時私には、神祁の放った言葉の意味が分からなかった。 ……戦う? 一体誰と!? もしかしてここの住人と? 住人全員が、私を襲いにくるとでも言いたいの!?? それからすぐに、神祁と入れ替わりにやって来た碧沃に案内された部屋は、自分の部屋の何倍もある広さだった。 今日から私の新たな生活が始まるのだ。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加