第6話◆恐怖

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―――… ……次の日。 眩しい光で目を覚ました。 時間がないこの世界で、“次の日”というのか、“数時間後”というのか、 将又(はたまた)、“ある日”というのか、……それは分からない。 とにかく大きなカーテンを開けた向こう側、お日様の光で目を覚ましたのだ。 「おはようございます。昨日はよく眠れましたか?」 あまりの眩しさに私が片目を細めると、碧沃が振り返った。 清々しい顔をして、その艶やかな黒髪に光を与えている。 「うん、まぁ……」 と碧沃に返したけど、まだ思考が働かない。 いつもならここで、ママが作る朝食の匂いがして、私は洗面所に向かうんだけど……やっぱり何も匂ってこない。 一晩眠っただけじゃ、元に戻る訳がないって事かぁ……。
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