第6話◆恐怖

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“何号室”と書かれてあるのなら未だしも、目印になるものは何もない。 ……目印を書くと、私の部屋が他の住人にバレる恐れがあるからだろう……。 それは親切心なのか、それとも裏がある上での事なのかは……知らない。 神祁……アイツの部屋は何処なんだろう? “守ってやる”とか言いながら、守れる場所にいなかったりしてね……。 って、アイツの事はどうでもいいって! 碧沃が待ってるし、早く行こっと。 階段を降りて右に曲がった一番奥の部屋が、目的の場所だ。 その隣が厨房なのか、そこを通った時、いい匂いがした。 思わず足を止めて、中を覗きそうになる。 だけどそれを躊躇わせたのは、厨房からアイツが出て来たからだった。
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