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エレベーターの中で、僕は内心かなり焦っていた。
岡野(ううっ、結局一緒に帰ることになっちゃったよ。しかも、同じエレベーターの箱の中だし……気まずい……)
葛原「岡野」
岡野「はいっ!」
びくっと肩があがってしまった。
葛原「お前、やっぱり、なにか聞いただろ?」
岡野「別に……」
葛原「言わないと。ひどい目にあうぞ」
岡野「ひっ」
葛原さんが、僕を壁に追い詰めて、腕の中に閉じ込める。
途端、エレベーターがガクンと揺れた。
岡野「え、わっ!」
体がバウンドして、葛原さんの堅い胸に飛びこむ形に!
葛原「大丈夫か?」
岡野「は、はい」
慌てて体を離そうとすると、今度は照明まで消えてしまった。
岡野「な、なに?どうして、真っ暗になってるんですか?」
葛原「落ち着け。きっと、故障だ」
岡野「故障……」
暗さに、ぞわりと鳥肌が立った。
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