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びっくりして振り返ると、顔をしかめた葛原さんが、僕をまっすぐに見下ろしてる。
葛原「ずっとよそよそしかったことに、いらついてるんだ」
岡野「えっ……」
葛原「俺が気付かないとでも思ったのか?どれだけ一緒にいたと思ってるんだ?」
岡野「何に気付いたの?」
首を傾げて見せると、目を細められた。
葛原「俺を避けてるだろ?」
岡野「……そうですか?」
葛原「とぼけるなよ。ただの同僚だなんて、今は、思ってない」
岡野「……葛原さん……」
(どうして、そんな浮かれるようなことを言うんだよ。ますます自分の気持ちを自覚しちゃうのに)
葛原「ヒロ、お前は俺のことを、どう思ってるんだ?」
岡野「別に……葛原さんだって、僕がいなくても平気でしょ?」
(僕は、そうじゃないけど……葛原さんには、立派な婚約者がいて、いつか結婚して、遠くへ行くんだから……)
葛原「いいや、お前がいなきゃ、俺は嫌だっ!!」
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