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彼の名前は清水夏樹。
私の隣に住んでいた言わば幼馴染。
親同士が仲が良かったため、生まれた時から一緒。
夏樹が引っ越す7歳の夏までは。
「え、ちょっと待って訳が分からないんだけど」
「そうだな。簡単に言うと、またここに引っ越してきた。」
「高校は?」
「渚と一緒。」
「え、はあ?意味わからない。なんでよ」
「なんでって。俺が行きたいと思ったから。」
とりあえず話が急すぎて、私の頭では追いつけず、はぁとため息が出た。
「とりあえず帰ろうぜ。立ち話もなんだろ。」
「そうだね。…って、夏樹もしかして私にぶつかったのって、わざとじゃないよね」
「そらねーよ。たまたまだ。」
スタスタを夏樹は先を歩きながら言った。
「帰ろうぜって。家、隣なのね。やっぱ。」
夏樹の家はもともと、祖父母の家を立て直した家で、夏樹達が引っ越してからは、そのまま祖父母が住んでいた。
「あたり前だろ。わざわざ新しい家に引っ越さねーよ。」
それもそうだ。と思いつつ、家に帰ろうと、カバンから鍵を出した。
「ちょっと待てよ。うち、寄ってけ。」
クイっと親指を指しながら。
「あ、そうだね。おばさんに挨拶した方がいいよね。」
「久しぶりに渚に会いたがってたよ。」
そう言われるのは嬉しいもので、自然に顔が笑顔になった。
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