熱血教師襲来

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 ある夜のことだった。  学園の屋上で合宿をしていた天文部が、東の空に沢山の流星がまるで豪雨のように降り注ぐのを観測した。 「むむ、これは何か良くないことの前兆ではないだろうか?」  また、気候を調査していた地質学研究同好会は、連日続く熱気あふれる気温の上昇を観測ノートに記した。 「異常である。どうもおかしいぞ。前代未聞だ」  これを聞き知った図書委員会が、これは過去の文献にある熱血教師襲来の予兆ではないかと発表した。  そして、情報収集を開始したコンピューター部が弾き出した答えはこうであった。 『熱血教師襲来ス』  熱血教師襲来。  そのニュースに学園は色めきたった。  なんと、熱血教師がこの学校にやって来ると言うのだ。  「すわ! これは由々しき事態である! どうしたものか、どうしたものか」  誰もがそんなことを口走りながら、意味もなく学園内を走り回った。  大混乱の図である。  そうしている内にも、熱血教師の群れは学園へ迫っている。  その影響か、荒野には芽吹いた草花が太陽の陽を浴びようと一杯に広がり始めた。  熱血教師の熱気に当てられたツクシやアスパラガスもニョキニョキと頭を出し、食材を手に入れた料理部達をある意味喜ばせながらも危機感は増していく。  時間はあまり無い。  これにあたり、学園の生徒会は非常緊急警報を発令し、すぐさま対策会議が開かれることとなった。
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