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「涼―。聞いてー」
わたしこと、高井沙都は、学校帰りの制服のまま、隣に住む幼なじみ、畑野涼の部屋のドアを開けた。
「なに?」
涼はベッドの上にゴロンと横に寝そべって、PSPでモンハンしていた。
「あのさ、わたし、彼氏ができた」
わたしの言葉にチラリとこちらを見た涼は、ゲームをやめてベッドからおきあがった。
「彼氏?」
「うん。となりのクラスの青木光輝クン。野球部だよ。涼はサッカー部だから、グラウンドで見たことあるでしょ?」
そういいながら、涼のとなりにチョコンとすわって、陽に焼けた顔をのぞき込んだ。
「なんだよ……それ?彼氏って……」
「え?」
「沙都、おまえ、そいつが好きだなんて言ったことなかっただろ?」
涼が手にもっていたPSPをベッドにほうりなげた。
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