第1章

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「涼―。聞いてー」 わたしこと、高井沙都は、学校帰りの制服のまま、隣に住む幼なじみ、畑野涼の部屋のドアを開けた。 「なに?」 涼はベッドの上にゴロンと横に寝そべって、PSPでモンハンしていた。 「あのさ、わたし、彼氏ができた」 わたしの言葉にチラリとこちらを見た涼は、ゲームをやめてベッドからおきあがった。 「彼氏?」 「うん。となりのクラスの青木光輝クン。野球部だよ。涼はサッカー部だから、グラウンドで見たことあるでしょ?」 そういいながら、涼のとなりにチョコンとすわって、陽に焼けた顔をのぞき込んだ。 「なんだよ……それ?彼氏って……」 「え?」 「沙都、おまえ、そいつが好きだなんて言ったことなかっただろ?」 涼が手にもっていたPSPをベッドにほうりなげた。
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