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「いたい。いたいよ。涼……」
「そいつが、こんなふうに、腕つかんできたらお前、どうすんの?」
いつもの涼じゃなかった。
色素のうすい、茶色がかった目を大きくみひらいて、こんどは左腕をつかんできた。
「青木クンはこんな乱暴しないよ」
首を振って抗議した。
「お前、そいつの彼女になるんだろ?これくらい覚悟しといたほうがいいんじゃね?」
ベッドに両膝をついた涼が、わたしに顔を近づけてきた。
「わたしに彼ができたからって、逆ギレしないでよ」
「逆ギレ?」
「自分は彼女いないからって、当るなってこと。涼だって、この前告白された子と付き合えばよかったんじゃない」
すると、わたしの両腕を持ったまま、そのまま、おおいかぶさってきて、わたしはベッドの上に押し倒された。
倒れ込んでも、涼はわたしの両腕をベッドに押し付けたまま、はなさない。
手首を強くにぎったままだ。
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