第1章

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「いたい。いたいよ。涼……」 「そいつが、こんなふうに、腕つかんできたらお前、どうすんの?」 いつもの涼じゃなかった。 色素のうすい、茶色がかった目を大きくみひらいて、こんどは左腕をつかんできた。 「青木クンはこんな乱暴しないよ」 首を振って抗議した。 「お前、そいつの彼女になるんだろ?これくらい覚悟しといたほうがいいんじゃね?」 ベッドに両膝をついた涼が、わたしに顔を近づけてきた。 「わたしに彼ができたからって、逆ギレしないでよ」 「逆ギレ?」 「自分は彼女いないからって、当るなってこと。涼だって、この前告白された子と付き合えばよかったんじゃない」 すると、わたしの両腕を持ったまま、そのまま、おおいかぶさってきて、わたしはベッドの上に押し倒された。 倒れ込んでも、涼はわたしの両腕をベッドに押し付けたまま、はなさない。 手首を強くにぎったままだ。
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