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「俺は、沙都みたいに……誰でもいいなんて、どうでもいい気持ちで女と付き合えないんだ」
「それなら……わたしに当ることないじゃんか。はなしてよ」
そう言って、眼の前十センチまで顔を近づけてきた涼をおもい切りにらんだ。
「バカヤロウ!」
耳元でどなりつけてきた。
「耳元でそんな大声出さないでよ」
すると……涼が、きゅうに泣きそうな顔をして
「俺の気持ち、お前……本当にわかんないの?」
目の前の涼のうすい唇が震え出した。
「涼……の気持ち?」
「沙都が、コンビニのプリン食べたいって言ったら買ってきたり、沙都の好きなアイドルのビデオ予約したり、眠いのに、女友達とケンカしたお前の悩みきいたり……俺は……お前のなんだったんだ?兄妹か?やっぱ……ただの幼なじみなのか?」
「涼……」
涼の切れ長の目からポロリと涙がこぼれた。
そして、わたしの頬にポタリと落ちた。
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