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「…うわぁぁぁっ! …ハァハァ…。」
ベッドから飛び起きてしまった。
飛び起きる位に
とんでもない『悪夢』だったはずだか
恐ろしかった事しか思い出せないでいた…。
…とりあえず着替えようとし、
ここが自分の部屋と違う事に気付き愕然とした。
…家具も天井も無い、ベッドと壁
そして見慣れぬ扉だけ…
『…ん?なぜ…』
そう思った瞬間、何も無かったはずの頭上に
『何か』が在る事に気付く。
それが持つ 、絶対的恐怖に無意識に駆け出した。
…目の前の扉を開き外へ飛び出し全力で走るが、
闇としか表現できない『何か』も追い縋る様に
近づいてくる…。
…どれだけ走っただろう…
遥か先に扉を見つけ、
もうこれ以上出せないであろう速さで
道を駆け抜けた。
何とか扉までたどり着き、
開こうとするが錆び付きがひどいのか
なかなか開こうとしない…
もう、背後から迫る『何か』に
「捕まってしまう。」
と感じた時、
やっと扉は開き中へ飛び込み急いで閉めた。
「……ハァハァハァ……………や、やった……。 」
扉の前でへたりこみ 、
ようやく安堵して振り向けば…………………………
「!?」
…
……
………
…………そこは…………
『何か』に追われ飛び出し
今はもう、
その『何か』に満ちてしまった『あの部屋』だった…。
………もう、逃げ様もない…
その『何か』に自分の全てが、
徐々に浸食されていく絶望感と共に…
「飛び起きる前に観た夢」と同じ事に気付いたが、
もう意識が薄れていく………………………………。
…
………
……………………
「…うわぁぁぁ!…ハァハァ…。」
ベッドから飛び起きてしまった………………………。
飛び起きた位の………………………
……………………………………
……………………
ー完ー
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